キミは俺のモノでしょ
ええっと。

寝起きで頭がボーッとしてる。

けど。


これは現実だよね?

……ああ、現実だ。


「なんで制服なの?」

「や……これは、その、」


!!?


「ただいま、うらら」

「お兄ちゃん……」


忍者のように背後に現れた、兄。


「『おかえりなさい』は?」

「おかえり、なさい」

「制服のまま勉強してたの?」

「それが……」


寝ていましただなんていえない。


「勉強の成果が見れるの楽しみだなぁ?」


ニッコリ笑う兄を見るだけでもう鳥肌モノだ。


「寝癖」

「へっ」

「寝癖、ついてるよ?」

「……え、どこ?」


反射的に髪を触った。

が。


「嘘だよ」


……やられた。


「へぇ。寝てたんだ? 勉強もせずに?」

「…………」

「随分と余裕だねぇ。てっきり目の下にくま作るくらいには頑張ってると思ったんだけど。期待はずれ」

「ごっ……ごめん、」


って、そんなすぐくまなんてできないんじゃない!?


「さすがうらら。根性ナシ」
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