副社長には内緒☆番外編☆
「ちょっと!!私を無視して何してるのよ!」
あっ、忘れてた……。
慌てて麻美をみると、
「もういいわよ。弘樹なんてステイタスだけで近づいただけだから、あんたに上げるわよ」
それだけを香織に言うと、麻美は足早にエレベーターに乗って行った。

啞然として香織とその後ろ姿を見送ると、顔を見合わせてクスクスと笑いあった。

「香織、俺はそのままの香織が好きだから。無理して大人っぽくしたり、我慢したりしないで。ましてやナンパなんてされるなよ」
ナンパをされている香織を思い出してムッとした俺に、香織はそっと背伸びをすると、俺の耳元で囁いた。

「私も、弘樹君が大好きです」
その言葉に、俺は完全にやられた。
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