そんなアイツが好きだから~幼なじみと恋の決戦~
「じゃあ、帰るか」
「うん」
そうやって、一本の傘で並んで歩く帰り道。
「……あ。雪」
いつのまにかちょっと小降りになってる。
あんなに降ってたのに。
空を見上げたら、雲の隙間から僅かに太陽が覗いていた。
朝はただの幼なじみだった怜佑と、帰りは両想いになって歩いてるなんて。
全然違う。
両想いになると、隣にいるだけでこんなにドキドキするんだ。
「……てかあんまくっつくな」
っ!?
隣から聞こえてきた声にムッとする。