地味OLはシンデレラ
「部長じゃなくて、名前で呼べよ」

ハッと顔を上げると、部長…和真さんは優しい笑みを私に向ける。
運転席のボックスを開けると、小箱を取り出し、私に渡してきた。

「これは?」
「開けてみろ」
小箱は有名なハイブランドのジュエリーボックス。
中身はもしかして…?
少し震える手でボックスを開けると、大きなダイヤが付いた指輪がキラキラ輝いている。

和真さんは私の左手を取り、薬指にそっとはめた。
眩いほど光輝く指輪は、薬指にぴったりはまっている。

「朝海、よく似合ってる」

アタフタしている私に、またしても甘々な言葉を囁く。

「こ、これ!どうしたんですか!?っていうか、和真さん雰囲気違いすぎですよ!!」
いつも企画広報部で怒号を響かせてるのは、どこのどなたでしたっけ?
もしかして二重人格!?
企画書をあっさりボツにする人と、とても同一人物とは思えないんですけど!!



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