地味OLはシンデレラ
苦手だった上司が、私の旦那様になろうとしている。
地味で目立たないOLが、イケメン部長の奥様になろうとしている。

「やっぱり眼鏡ないほうがいいな」

私は何度この言葉を聞いただろうか。
眼鏡を外しても、地味子には変わりないと思うのに。

「朝海、かわいいから、出来れば眼鏡外すのは俺の前だけにしてほしい」

はあ!?
私がかわいいって、和真さんの視力大丈夫ですかって心配になるよ。

「そういう甘い言葉、他の人に言ったら許しませんよ」
私は軽く睨む。

「アホか!俺が甘いのは朝海の前でだけだ」

ふたりして言い合っていると、ウェディングプランナーさんが「入場5分前です」と、合図した。

本日はお日柄もよく、私、栗原朝海と、彼、篠宮和真の、一生に一度の結婚式。

私は和真さんにエスコートされ、大きな扉の前に立つ。
純白のウェディングドレスは、刺繍透かし彫りのロングドレス。
足でドレスを踏みつけないように気を張る。

和真さんはタキシードをビシッと着こなし、イケメン度が益々増している。





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