大胆な彼【短編】
健一「この男殺し…」

紅葉「待って、何そのあだ名!私がいつ男子を殺したっての!」

健一「お前さぁ、中3の時から何も変わってねーのな」

紅葉「何が変わってないの…ってちょっ!」

健一は卒業式の日と同じように私の手を引いて抱きしめた。

あの日と違うのは健一の身長が高い事。

あの日はそんなに差がなかったのに、今は私の頭が健一の肩までしか届かない。

それよりも心臓が物凄く大きな音でなっている。

健一にまで聞こえるんじゃないかってくらい…

健一「こうされても何も感じないのか?」

紅葉「はっ、いきなり何言って…」

健一「お前はいつもそうだった。可愛いって言ってもいきなり手握っても、こうやって抱きしめても。

照れるどころか軽くあしらうだろ。少しはときめいたりしないのか?」

紅葉「そ、れは…」

健一「俺はこんなに照れんのに…不公平だろ…」

健一の声は少し震えていた。

紅葉「て、照れてないわけないでしょっ!好きな人に可愛いって言われたりいきなり手握られたり、抱きしめられて平常心保てるわけないでしょーがっ!」

健一「"好きな人"?」

紅葉「っ……/////////」

健一「ぷっ…顔真っ赤…」

紅葉「るっさいなぁ!!//////」

健一「じゃあ、俺我慢しなくて良かったじゃん」

紅葉「我慢って何を…んんっ!?」

健一と目が合った瞬間唇に柔らかいものが当たった。

それがキスだと認識するのにそう時間はかからなかった。

少しして離れた健一の表情は今までで一番柔らかい笑顔だった。

健一「俺、ずっと紅葉の事好きだったんだけど」

紅葉「わ、私も…」

健一「あーあ、ならもっと早く告っとけば良かった」

紅葉「受験に集中出来なくなってたらどうすんの」

健一「俺と同じ高校に来たら良かったじゃん。紅葉くらいなら余裕だろ」

紅葉「やだ、遠い」

健一「はっ、それだけかよ」

紅葉「通学時間は大きいから!」

健一「なんだそれw」

やっと気持ち伝えられた…






Fin―――――――――
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