【短】失恋と書いて愛と読む!
ぽたぽたと机の上に落ちては暑い風に乾いていく涙。
泣くことの余韻にも浸らせて貰えないのかと、つくづく嫌になる。
そんな時に、頭上から低くて愛しい声が降って来た。
「おい」
「……」
「ゆっこ」
「………」
「由依子」
「…なによ?」
それは、さっき私を振った…理貴の声。
私のことを呼びつつ、ぽんぽんと頭を撫でる。
そんなに優しく呼ばないで。
頭を撫でて行かないで。
悲しいくらいに、貴方を好きだと叫びそうだから。