【完】V.I.P〜今宵、貴方だけの私になる〜

「さて。リザーブした店に連れて行く前に…お互いある程度のドレスアップをしないとな…」


とはいえ。
わざわざ店まで行っている時間もなければそんな暇もない。
だから…。
さっき、ある約束を取り付けるための電話をしたんだ。
そいつは、そろそろ此処にやってくるだろう。
…彼女の静止を無視して。
だから、彼女には内線で一本、「今から来る奴はそのまま通して」とだけ伝えた。

そうして、間もなく。


ばたん!


案の定、かなりハイテンションな音を立てて、ドアを開いたと思ったら、自慢のブロンドの長い髪をボリュームたっぷりに揺らして、入り込んできた。

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