(仮)ハルトとアルト
全てを聞いたリーナはシュバルツ国王に感謝しても仕切れないほどであった。
形だけではあるが、曲がりなりにも6年間、姫として母国のワイマールの幸せを毎日祈り、国の力になりたいと思っていた

「どうかワイマール国をお導きください。私でお役に立てる事であれば何でもいたします。なんなりとお申し付けください」
リーナがシュバルツ国王、そして王子達にそういうと、アルトが口を開いた

「ほう、お飾りの姫ではないようだな。城内のことなど聞きたいことがある。力になって貰おう」とアルトが言った
するとヘルトがリーナに微笑み、そして手を取り、続けた「力になってくれるんだね、ありがとうリーナ姫。でも、貴方は私の婚約者。無理をすることはないよ。貴方と母君、そしてワイマールの民を私達が必ず守るから安心して」

「ヘルト様、、、」

リーナはヘルトの言葉がとても嬉しかった。しかし同時にリーナは戸惑っていた。
自分はワイマールが解放されれば一市民として生きてく身、、、
これ以上ヘルト様からお優しい言葉をかけられるのは辛い、、、こんな素敵な方を好きにならいなんて出来ない、、、

気持ちを切り替えなきゃ、、、
今はそんな事を考えている場合ではないはずよ、リーナ
お母様はまだネフェルの元にいる
ワイマールの民も恐怖政治に苦しんでいる
今は私が出来る精一杯の事をやるのよ

ヘルト様への思いは、深く、深く、心の奥に沈めておこう、、、








話も終わり
長旅と急な話に疲れたであろうから、ゆっくりして欲しいと用意されたリーナの部屋へと案内された
部屋に着くと1人の侍女がリーナを待ちわびていた

「初めましてリーナ様、長旅お疲れ様でした!私、今日からリーナ様のお世話をさせていただきますアンナと申します、よろしくお願いします!」
リーナの世話役にはリーナと同じ歳のアンナが付いた
とても元気で明るいアンナと一緒にいるだけでなんだか元気がでた

「リーナ・ワイマールと申します、アンナ、これからよろしくね。私、自国から出たのはこれが初めてで、、、いろいろと教えて下さいね」
リーナがニコリと笑い、優しく応えるとリーナは興奮したように話した
「リーナ様はお噂通りのお方です!白鳥姫と呼ばれるリーナ様にお仕え出来るなんて、私、感激です。それに、あのハルト様のご婚約者様!美男美女のお2人、とてもお似合いです♡♡♡」

「ありがとう、アンナ。ハルト様は私には素敵すぎて、私なんて、、、」リーナは先程のチリ付く気持ちを思い出し、少し哀しげに答えたのだが、アンナはそんなご謙遜なさらないでください、リーナ様以上にハルト様に似合う方なんていませんよ!ときゃぁきゃぁはしゃいでいた

すると

コンコン、、、

ドアをノックする音が聞こえ、アンナがドアを開けると、そこにはハルト王子が立っていた



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