君を愛していいのは俺だけ
「どうだった? プレゼン」
「うーん、まずまずかなぁ。感触は良かったんだけど」
「よかったじゃん」
黒縁眼鏡をかけた彼は、にっこりと微笑んでくれた。
滝澤さんは素敵な人だと思う。社内でも人気があるって桃子ちゃんに聞いたことがあって、そんな人が私なんかを好いてくれていたのが今でも信じられない。
「お疲れ様」
滝澤さんが訪問してきた新規のアパレルブランドの話を聞いていると、突然社長がMDのフロアにやってきた。
「秋吉さん、今ちょっといい?」
「はい」
「昼間のプレゼンの件なんだけど、この資料のグラフの数値って、向こう十年くらいの予測で作れる?」
彼は持参したタブレットに資料を表示させ、隣席の椅子に座った。