君を愛していいのは俺だけ

「後輩がお酒で酔えるなんて、いい集まりだった証拠だね。緊張して全然酔えなかったって言われるよりもいいよ。……また集まる機会を作るから、秋吉さんもおいでね」
「……ありがとうございます」

 彼は、先輩も私も悪く言うことなく、次の集まりにも誘ってくれた。

 陽太くんはそういう人だ。
 困っていると、そっと手を差し伸べてくれるような温かい人。

 社長が陽太くんだったらの話だけど……。


「よし。じゃあ、秋吉さんも仕事に戻って頑張れ。俺たちも頑張るからね」
「はい」

 にこっと微笑まれて、危うく頬が染まりそうになった。胸の奥がきゅんと鳴って俯いたけど、周防会の先輩方の視線は痛烈だ。
 私はそそくさとフロアを出て、下階へと向かった。


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