ブザービーターは君のため
「のんちゃん。部活出るの?」

 送ってくれる車内の中で大悟がポツリとつぶやいた。

 聞いてやがった。悪趣味。

「……忘れられた?」

 嫌な奴。

「だってバスケかじってる奴なら、のんちゃん知ってる奴もいるかもよ?」

 分かってる。

「それとも…千尋ちゃん?」

 あのチビがなんだよ。

「………麗香さんのこともいいの?」

「うっせー。」

 嫌な奴。嫌な奴。嫌な奴。

 分かってる。
 大悟の言いたいことは分かってる。

 でも、バスケやらなきゃのんちゃん死んじゃうんじゃない?
 そう言ったのは大悟だ。

「だったら誘うな。」

「…そうだよな。ごめん。」




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