ブザービーターは君のため
19.その後
「ガッツポーズとか若かった。」

 プロの頃は粋がってたな。
 今は自然体でいられる。

 それは………というのは言わないでおこう。

「それだけ彼女のこと好きだったんでしょ?」

 チビの心無い言葉にムッとする。

 どうせ私のことはそこまで好きじゃないんでしょ?
 とか思ってそう。

 普段は超お馬鹿なクセに。
 お馬鹿なくらい自惚れてもいいのに。

 ムカついて、ちょっと意地悪なことを言う。

「好きじゃないけど?」

「…私のことが?」

 ほら。勘違いした。

「まだまだだなぁ。千尋ちゃんは。」

「え…大悟先生。」

「好きじゃないのは前の彼女のこと。
 あっちが一方的に付きまとってただけ。」

 あーぁ。大悟、正解あげちゃった。

「嘘…。だって…え?
 それってストーカーみたいな?」

「そっ。
 だから好きじゃないのは前の彼女。」

「普通、分かる。」

 呆れた視線を送ると逆ギレされた。

「分からない!そんなの!!!」

 こんなに大事なのはチビだけっての分かんないかなぁ。

「ちーちゃんも言葉足りないんだから似た者同士だと思うけど。」

 大悟の後ろからチビのいとこが顔を出した。

 確か真央とかいう人。
 大悟と付き合ってるっていうんだから、この人も相当変わってる。







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