浅葱色の鬼
一目惚れ







「新選組だ!御用改め致す!
手向かう者は、斬り捨てる!
神妙に致せ!!!」






局長 近藤勇の声が響き渡る

激しい乱闘


そこかしこで刀の交わる音


新選組と聞き逃げ出す者もいたが
すでに包囲された長州浪士の屋敷からの
逃亡は、不可能だった



一つ一つ部屋と押し入れを確かめ
残った浪士を捕縛していく




「見逃すんじゃねぇーぞ!!
隅々までしっかり捜せよ!!」




副長 土方歳三が声を荒げると
新選組の隊士たちは、背筋を伸ばす



「はい!」




「大した事なかったですね」


のん気に両手を組、後ろ頭にやる
沖田総司


「油断禁物ですよ」


副長 山南敬助が諫める





チラリと沖田を見た後
土方は、まだ開けられていない部屋の
襖に手をかけた




中に人の気配を感じ
刀を構え、スパンッと開けた





(っっっ!!!)







月明かりに照らされた、肌の白さ
ほんのりと紅い頬や唇

縄で縛られた娘に




土方は、見惚れていた








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