浅葱色の鬼
荒木神社で、沖田、山崎と合流


「早かったな、山崎診てくれ」


「はい」









「紅音肩を貫通して、局長の肩に弾が…
もしかしたら、紅音が庇わなければ
頭を撃ち抜かれてたかもしれへんな」


山崎が近藤の肩を手際良く治療をする間
紅音の肩を土方が止血する



「実は、沖田さんがいた妾宅が
襲撃にあったみたいなんや
それに、局長の怪我
紅音は、危険を察知してたんやないか?」



沖田の膝で丸まるキツネに視線をやると
もう一度、問いかけた


「紅音は、知っていたんやないか?」


キツネは、ゆるゆると起き上がり
沖田の膝から降りると
ウーンと、背伸びをした


テクテクと紅音に近づいて
紅音の頬を舐め、紅音の頭近くに座った



「山崎… 紅音の出血が増えてる!」



沖田がキツネの隣に膝をつき



「本当ですね… ケホッ
教えて下さいませんか?
どうして危険を察知出来たのか
紅音さんに、残された命がどれくらいか」



沖田の問いかけにも
キツネは、澄まして紅音を見下ろしていた



「お願いします」


「よし!弾とれた!!綺麗に縫ったら
次は、紅音の治療や!!」




張り切る山崎の声が聞こえたのか

薄らと目を開けた紅音は、ポツリと呟く




「治療は、しなくていい… 痕になるから」




再び閉じられた目

土方が、紅音の頬に空いてる手を当てた









「紅音… お前は、もう…命じゃねぇよ」































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