クールな王太子の新妻への溺愛誓約

「けなしてはいない」

「でも、せっかくなら“かわいい”と言われたいです」


レオンが笑顔を見せてくれたものだから、マリアンヌがつい調子に乗る。


「ならば、その言葉の代わりにこれをやろう」


レオンは箱からクレームブリュレを取り出した。

それはそれでほしいものだったから、マリアンヌはパッと顔を輝かせる。
もうすぐ夕食だというのに。ベティに間食しすぎだと叱られそうだ。


「ありがとうございます」


クレームブリュレをレオンと食べながら、マリアンヌは街でのことを思い返していた。

馬車を見た国民は、誰もが遠巻きに眺めるような様子だった。ピエトーネでは、王族の馬車や馬を見れば誰もがみな走り寄ったものなのに。フィアーコはやはり国民との間に距離があるのかもしれない。


「レオン様、今度は街へご一緒してくださいませんか? とても楽しかったので、レオン様と回りたいです」

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