同居相手はまさかの!?
コピー室には誰も居なかった。


「では、今から教えますね。」


茉莉はそう言って、何とか自然にしようと必死に笑顔を作るが

…逆に不自然すぎた。


そして俺は、茉莉からコピーのやり方を教えて貰った。


確かに普段タメで話してるのに、いきなり敬語はキツイよな…。


必死に頑張ろうとする茉莉を見て、コピーを待っている間緊張を解そうと小声で口を開いた。


「てかさ茉莉、不自然すぎ。」


「ちょ、ちょっと!ここ会社!」


茉莉は慌てていた。


小声だし、誰もいないのに茉莉はあたふたしていた。


コソコソするから逆に何だか


【社内恋愛】してますみたいな空気になっている…。


俺達は本当は違うけど…。


「誰もいねーじゃん。」


俺はつい、また茉莉に意地悪をしてしまった。


「誰かに聞かれたらどうすんの!?」


いや、そのデカイ声の方がマズいだろ…。


「そのデカイ声で聞かれる方がヤバイんじゃねえの?」


何て俺はまた、意地悪を言う。


そして茉莉は小声で俺を問い詰めた。


「てか、どうゆう事??ウチの会社に来るなんて…
あたし聞いてない!」


俺はその時、少しだけ罪悪感を感じた。




…うん。ごめんな…。



それは言えねえんだよ…。




「…サプライズになるかなーって。」



本当の事を言えないから、俺は適当に嘘をつく。


茉莉はやれやれという顔をしていた。


「あたし達の事、バレたらどうすんの!?」


…良いよ。



…茉莉とならバレても


本当は…。


「…バレても良いじゃん。」


そして俺は茉莉の背後に回り、いつのまにかそう告げていた。


「…俺と同居してる事、バレたら嫌?」


自分でもだんだん何を言っているか分からない。


いや本当は分かってる。


俺は茉莉をどんどん好きになってる。


いや、本当は振られた後も好きだった。


…でも今の俺は…。


半分は自分の任務の為に茉莉に近づいてる。







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