わたしがまだ姫と呼ばれていたころ
episode1 三日月

その昔、わたしがまだ姫と呼ばれていたころの話。

あるとき、見知らぬ男から『月の歌』が届いた。
悪戯だと思って、無視した。

翌日、また届いた。
この星の誰よりも君のことを思っている、というような嘘っぽい歌。
返事はしなかった。

三日目。
また来るような気がして、待っている自分に少し驚く姫。
果たして、男から届いたのは、『三日月の歌』。

朔から数えて三日目の夕方、シャンパンゴールドに輝く細い儚げな三日月が西の空に架かっていた。
三日月の歌を、三日によこすセンスに姫は惹かれた。


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