あなたの運命の人に逢わせてあげます

「で、紹介料は?いくら払ったんだ?」

おれがそう尋ねると、

『それが、タダなんだ……っていうか、メールが来たのは結局、あのときのたった一回だけだったからさ』

佳祐は腑に落ちない様子で答えた。

おれはますます香里が怪しい、と思った。

オンナってのは普段はおしゃべりなくせに、そういうことにかけては口が堅いからな。

まともに訊いたところで決して口を割らないだろう。

文字どおり「おめでたい」佳祐にはわからないだろうが……

おれのそういう気配を察したのか、佳祐はありえないことを言いだした。


『和哉……おまえ、自分もやってみればいいじゃん』

< 7 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop