レインボーステージ
第3話 『ダメな自分』
「こんな感じかな〜。じゃ、日直さーん。」

「きりーつ」

教室中にガラガラと椅子が音をたてる。

「気をつけ〜、れーい。ありがとうございましたー」

「ありがとうございましたー」

静かな雰囲気から一変、騒がしくなった。

早く自分がしたい事、はっきりさせなくっちゃ…!

あっ、そうだ、愛菜ちゃんと咲希ちゃんにも相談してみようかな…。

いや、でもさすがに仲良しでも、ちょっとな…。

どうしようかな…。

「優香里ちゃん!」

「ゆっかり〜!」

「やっほ〜二人共!」

授業が終わった後のお喋りって楽しいんだよね〜。

「優香里、何か考えごと?」

ギクッ

「えっ、えー?何で?」

「何でって、先生に呼ばれてもずーっと窓の外見ちゃってたじゃん。」

「うん、優香里ちゃんが先生を無視するなんて、今までなかったからどうしたかと思っちゃったよ。」

ぐぐっ…。

この二人、なかなか鋭い…。

今なら話すべき……?

このタイミングで言っちゃう…?




い、いやいや、ま、まだやめておこう…。

「あ〜…。そうそう、昨日のテレビが面白くってさ〜!あ、あはは〜。」

「なんだ〜!そーだったんだ!優香里の事だし、そーだと思った!」

「…。」

そ、そーそー!

良かった〜!

……ってあれ?

なんで、咲希ちゃん黙ってるの??

あれ?

私、今何か言っちゃいました…?

心優しい咲希ちゃんを怒らせるの、結構大変よ?

こんな簡単に怒らせる、何かやばいキーワード言っちゃってました……??

「ねぇ、優香里ちゃん。」

「は、はい!」

「何か、私達に隠してる事ない?」

「えっ?」

あ、あれ?

怒って…ないの…?

むしろ、心配してくれてる…。

「今日の優香里ちゃん、難しい顔をしてる時が多かったから…。」

嘘…!

顔に出てた…?

いつもより笑顔でいたつもりだったんだけど…。

バレてたんだ…。

二人には隠し事が出来ないね。

なら…。




思い切って言っちゃおう…!





もう、二人にどう思われたっていい。





でもきっと、二人なら賛成してくれる。





まだはっきりこれをやりたいって決まってないけど、三人ならすぐに見つかるはず!





私はそう信じてる。





よし!

やるぞ!

「お待たせ〜!…ってあれ?何か、しんみりしてる?」

「あっ、ううん!た、楽しくお喋りしてたんだよね〜?咲希ちゃん!」

「う、うん!あはは〜…。」

「ふ〜ん。まー、それならいいや!あっ、そうそう!昨日ね……」

こうやって笑いあえる友達がいるのって本当に幸せ。

ずっとずっと大切にしたい。

ずっとずっと一緒にいたい。

でも悪くいうと赤の他人。





ちょ、ちょっと!

私、何言ってるんだろう…。

こんな事考えたくもないのに…。
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