ライアーピース
Piece1





子供の頃を、私は今でも鮮明に覚えている。


女の子とままごとをするよりかは、
男の子に交じって木登りや
戦闘ごっこをするような、元気だけが取り柄の女の子。


それが私、二宮若葉。


特に仲の良かった高木陸とは
家が隣同士でよく一緒に帰ったりもした。


暇なときは互いの家に
遊びに行っては二人でバカ騒ぎをする。


とにかく当時の私はやんちゃ娘だった。



『ねえ、陸』


『なに?若葉』


『おとなになったら、私、陸のお嫁さんになるからね』


『約束だよ?』


『うん!約束!』


『ゆーびきーりげーんまーん♪』




近くの公園で誓い合った約束。
私は今でもその約束を覚えてる。




一度たりとも、忘れたことはなかった。



けれど、小学校へ入学した日、
そこに陸の姿は見当たらなかった。






陸は何も言わずに、
どこかへと行ってしまった。





探しても、探しても、陸はどこにもいない。





私はその日、声をあげて泣き続けた。












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