私にとって初めての恋。
買い物に行くと性格が良く分かる。
お菓子を最初に選ぶ者と、必要な物だけを買う者。
4人の中にも前者と後者に分かれた。
お菓子を買う組は龍月と束李。
必要な物だけ買う組は美陽と悠琉。
悠琉はお菓子を求める龍月を、美陽はお菓子を無駄買いする束李を止めに入った。

「おい、龍月。今すぐ菓子を置いてこい!」
「束李、お菓子買うなら夕飯抜き!」

2人の鬼に言われて、2人の猿は落ち込みながらお菓子を棚に戻しに行った。
美陽と悠琉は夕飯の食材を見に行く。

「今日は何を作るつもりなの?」

悠琉が美陽に夕飯のメニューを聞く。
美陽は野菜・お肉を他の物と比べながら答える。

「そこまで深くは考えてませんけど…、こうなったら凝りたいですよね~」

美陽は食材選びに専念する。
束李と龍月はお菓子を戻し終えて悠琉と美陽に合流した。
束李が何か言っているが、野菜を選んでいる美陽には聞こえていなかった。
買い物が終わって美陽の家に戻る。
美陽がご飯の準備をしている間、悠琉、龍月、束李は美陽に言われて勉強を開始した。

「フフ~ンフ~ン♪」

美陽は歌を口ずさみながら料理をする。
手際が良く、無駄な動きが少ない。

「美陽~…」

束李は分からないところだけ美陽に聞きに立つ。

「どうしたの、束李」

美陽は耳を傾けながら野菜を器用に切っていく。
ご飯ができる頃、3人は満足そうに休憩していた。
美陽は料理をお皿やお茶碗に盛っていく。

「束李、運ぶの手伝って!」

美陽は料理をお盆に乗せて束李に渡した。
箸を4人分用意して美陽も運んでいく。

「…すげぇ」

龍月は美陽の料理に釘付けになっていた。
悠琉も龍月の隣に座った。
何故か、龍月と束李は唐揚げの取り合いをしていた。
美陽はその光景を笑い、悠琉は龍月を止めに入った。

ご飯が終われば悠琉と龍月は帰って行った。
美陽と束李は玄関まで見送る。

「束李、お風呂入っておいで」

美陽はバスタオルとフェイスタオルを用意した。
束李がお風呂に入っている間、美陽は後片付けを始める。
勉強していたテーブル、食器を片づけた。

「ありがとう、美陽~」

束李と入れ替わりで美陽がお風呂に入る。
束李はご飯を食べたテーブルに教科書を開いた。
美陽がお風呂から上がると、束李がテーブルに突っ伏していた。

「束李、眠いなら2階で寝よう?」

束李は眠そうに頷き2階に上がった。
美陽は束李の教科書を閉じて、電気と戸締りの確認をし、2階に上がった。
美陽が自分の部屋に入ると、束李は布団の上でもう寝ていた。
美陽は机の電気をつけて、天井の電気を消した。
束李を起こさないように美陽は手元だけ照らして勉強を始めた。
勉強を始めて数時間。
美陽は時計を見て電気を消してベッドに潜り込んだ。
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