私にとって初めての恋。
今日は4人でデパートに来ていた。
2人ずつに分かれて買い物を分担した。

龍月と束李は道具を、美陽と悠琉は食器類を選んだ。

「こんなのはどうかな?」

悠琉が見つけたものを美陽に見せる。
美陽は悠琉が見つけてきたものを見る。

「あ、いいですねそのコップ」
「これ4つがいい?」
「はい、お願いします」

悠琉は籠に同じコップを4つ入れた。
美陽はスプーンやお皿などの食器を見ていた。

「軽めで使いやすいものがいいよね…」

美陽は呟きながら真剣に選んでいる。
美陽は食器と睨めっこ状態だ。

「みーよっ!」
「わっ!!」

美陽は驚き後ろを振り向くと買い物が終わった束李と悠琉と話している龍月に気が付いた。

「もう終わったの?買い物」
「うん、値段とか性能とか私分からないから龍月先輩に教えてもらいながら」

そっかと美陽は笑った。

「美陽はまだ悩んでるの?」
「うん…どれがいいかなって」

束李も美陽と並んで食器を見る。

「あ、これなんていいんじゃない?」
「え?」

束李の手には色違いのお皿が。

「色で誰のか決めたらいいと思うんだけど…」

普通のよりは見分けがつくと束李はドヤ顔で言う。

「うん、そうだね。それがいいかも」

そう言って次々と決まっていく。
買い物がひと段落し、4人はフードコーナーの空いている席に座った。

「他に何か買うものあるか?」

龍月が3人に確認する。

「いや、俺はない。美陽はどうだ?」
「私もないです。束李は?」

美陽が束李に目をやると束李は何か悩んでいるようだった。

「どうかしたのか、束李」

龍月が束李に話しかける。

「ううん、何でもない!」
「そっか」

龍月は束李の頭を撫でる。
美陽と悠琉は微笑ましくその光景を見ていた。

その日は帰路について解散した。
道具は全部龍月と悠琉が持って帰った。

美陽が家に着くと美陽の携帯が鳴った。
鳴り続けるのは電話だ。

「はいもしもし…」

美陽は反射的に電話に出る。

『あ、美陽?久しぶり』
「え、お母さん!?」

相手は仕事で忙しくしている美陽の母親。

「急にどうしたの?」
『仕事がひと段落つきそうなの。だからそっちに今度帰るわ』
「あ、はーい」

それから少しして美陽は電話を切った。

「帰ってくる…。」

美陽は声を出して微笑み、嬉しそうに家の中に入って行った。
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