私にとって初めての恋。
文化祭当日。
美陽はいつもより早く家を出た。
人がいなくてとても静かだった。

「寒い…。けど、あったかい」

美陽は神楽が送ってくれたマフラーと手袋を身につけていた。
美陽が学校に着くと既に教室の電気がついていた。

「おはようございます」

クラスの皆で最後の確認をしていたようだ。

「おはよ、次沢さん」
「おはよう」

美陽は鞄を置いて集まっている人達に駆け寄った。

「何しているの?」

美陽が隣にいた女の子に聞いた。

「これはね、昨日の夜に思いついたの。それで皆で朝早くに集まってやろうってことになって…」

美陽は偶然その場に来たようだった。

「次沢さんも!!」

男子生徒に名前を呼ばれ集まりの真ん中に行く。

「ここに、メッセージ書いて」
「メッセージ…ですか」
「そっ!1つの思い出として」

美陽はペンを渡されて何を書こうか考える。

「何でもいいんだよ」
「そうそう!」

書き終わったらしいクラスメイトが美陽に言う。

「んー…」

美陽は考えながらもペンを動かした。
書き終わりペンを握る。

「うん。これでいい…はい」

近くにいた人にペンを渡して後ろに下がる。

「何書いてきたの?」
「ふふ、内緒です」

美陽は嬉しそうに笑って言った。
もうすぐで高校で初めての文化祭が始まる。
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