私にとって初めての恋。

あの人がやってきました

時が経ち今は12月。
冬休みを前にウキウキしている人が多数、美陽達の学校でも見られた。

「冬休み、楽しみだね美陽!」

束李は席に座っている美陽に声をかける。

「そうだね束李。でも、テストの事を忘れちゃダメだよ?」

美陽の一言はその場にいる全員の心に突き刺さった。

「わ、忘れるなんてそんなことっ…」

慌てる束李に美陽はにっこりと微笑み返す。

「赤点取ったら休みないって先生も言ってたじゃない」

暖房が付いている暖かい教室が、一気に冷めていく。
美陽は別に悪気があって言ってるわけでもない。
ここにいるほぼ全員が「もうすぐ冬休み」「クリスマス」などに現実逃避をしているだけだ。

「美陽…、美陽は楽しみじゃないの?冬休み」

束李がそう言うとクラスの人が束李の援護をするように言う。

「そうだよ次沢さん!次沢さんも彼氏と初めてのクリスマスでしょう!?」

その言葉に周りにいた人達はうんうん、と頷く。
それでも美陽はぶれない。

「でも、テスト乗り越えないとその皆が楽しみにしているクリスマスもないと思うよ?」

美陽の言葉は皆にとどめを刺した。
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