私にとって初めての恋。

二人の気持ち

クリスマス、お正月が過ぎると近づいてくるのは悠琉の受験。

「そう言えば最近会ってるの?次沢さんと」
「いいや、会ってない。俺の受験があるから~って向こうが」
「なるほどな」
「年始にお守りももらったし、受からないと」

悠琉と龍月は教室で話していた。

「ふーん…。俺にはお前も遠慮してるように見えるけど?」
「…まあ、多少は」
「束李がさ、寂しそうだったってこの前言ってた」
「彼女は本当に友達思いだね」

悠琉は聞き流しながら言う。

「休憩がてらデートにでも行けば?根詰めるのも良くないし。」

龍月は制服のポケットからチケットを取り出す。
そこには遊園地と書かれていた。

「これは?」
「遊園地のチケット。2人で行ってきなよ」

悠琉は遠慮がちに受け取る。

「受験前のデート、行ってきなよ。来月からは今とは格段に会う回数減るんだから」
「…ありがたく行かせてもらうよ」

息をつきながら悠琉は口角をあげて言った。
< 96 / 107 >

この作品をシェア

pagetop