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入社5年目にして初めて大きな仕事を任されたと思ったが
社運のかかった一押しの商品だけに
正確には担当ではなく
担当のアシスタントだった。

藤堂拓海と知り合いと言うだけで
交渉の席に連れて行かされる程度だ。

タクミが所属するモデルクラブとは既に話は通してあるが
今日はタクミと詳しい話をするためにやって来た。

こちらは上司とアタシの2人で
向こうはタクミの会社の偉い人とタクミとタクミのマネージャーが席に着いた。

タクミは既にものすごいオーラがあって
キラキラしてていい匂いがした。

ザ・芸能人て感じだ。

それでもアタシを見ると

「キョウ、元気か?久しぶりだなぁ。」

と昔と変わらない笑顔を見せた。

「2人は幼馴染とか…?」

タクミの会社のお偉いさんが聞いて、アタシが

「はい。」

と答えると、タクミが

「キョウは隣に住んでて妹みたいなもんですから。」

と笑った。

"妹みたい"という言葉が妙に引っかかったが
そのおかげなのか話はどんどん纏まって行った。

そしてタクミはウチのスポーツウェアのモデルが決まって
コマーシャルも撮ってテレビで流れ、
街中にその顔が溢れるほど大々的に宣伝して
世間では商品よりもモデルのタクミが評判になった。






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