【惑溺】わたしの、ハジメテノヒト。

最後の記念

 

ざわざわとさわがしい校内
いつもよりみんなきちんと着た制服
色々な物が片づけられどこか殺風景で寂しい教室

胸につけられた赤い造花





「卒業だねぇ……」

卒業式を終えた教室でまだ雪の残る前庭をながめながらつぶやいた。

「本当だねぇ。なんかあっという間だったねー」

冬に葉を落とした木蓮の木が白いふっくらとしたつぼみをつけていた。

ほんと、あっという間だったなぁ……


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