☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3




「……果てし無い」


果てなんかない。


数えきれない。


それが、俺の生きる世界。


暗く、重く、逃げ場のない世界。


(どうして)


俺は、ため息をついた。


(どうして、この世界は、こんなにもつまらないんだろう……)


学校には、色んな生徒がいる。


運動をする生徒。
優雅にお茶をする生徒。
話し合いで休みが潰れている生徒に、
読書をしている生徒。


そんなことをしている人間の共通点は、何だろうか。


そんなことをしている人間と俺らの相違点は、何だろうか。


すべては、幼い頃に諦めたはずなのに。


どうして、まだ、苦しいんだろう。


光ない世界で生まれ、生きてきたのに……どうして。


そんな、答えがでないことを考えていたのは、もしかしたら、俺が光を追い求めていた証かもしれない。


そして、彼女は、そんな俺に引き寄せられたのかもしれない。


< 368 / 493 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop