☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3
「……お、お金なら、持ってません……」
「そんなわけないじゃないか。天下の御園の次女だろう?」
「うちは……天下など、取ってません……」
嘘は、言っていない。
例え、大金持ちだろうと、世界に名を轟かせようと、歴史が深かろうと、普通の家だ。
兄弟喧嘩はするし、ご飯だって、他家と何ら変わらない。
違うところと言えば、家が無駄に広くて、お金があるくらいである。
男集団に壁に追い詰められ、私は怖がることしかできなかった。
何故なら、何も出来ないから。
私は、弱いから。