あなたの心を❤️で満たして
その夜は家を出るのを止めた。
まとめた荷物は解かずに、暫くクローゼットの中に隠しておこうと決め込んだ。


とにかく黒沢さんと一度は話す。
彼の気持ちを聞いて、考えていることを教えて貰おう。


ロボットのような人でも声は出るのだから、休みの日でもいいから時間を下さいと願おう。


(それと、どうか明日は帰ってきますように…)


ベッドの中で祈りながら目を閉じた。
丸まって眠る猫のように、寂しい気持ちを抱え込んで眠ったーーー。




その翌日から二日間、黒沢さんは研究所に泊まり込んだ。
廣瀬さんは当然の如く怒り、三日目の今日も朝からとても機嫌が悪い。

…と言うのも半ば仕方がない。
研究所に泊まるという連絡をしてくるのは本人ではなく、補佐役の蒲池さんだからだ。


「全く、あの唐変木が帰って来たら思いきり叱り付けてやりますわ!」


廣瀬さんの悪態はいつもに増して凄まじい。
普段は冗談だと思えるが、今回ばかりは怒りも浸透しきっているみたい。


「廣瀬さん、血圧上がりますよ」


祖母を心配する様な気持ちで接し、怒っても仕様がないです…と言い切った。


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