あなたの心を❤️で満たして
「今夜から一緒の部屋で寝よう。もうずっと前からそうしたくて。だけど、いきなり誘っても嫌われると思って言い出せなかった…」


夫婦にはなったけれど、紙きれだけの関係。
そう思っていたのは、きっと私の方だったんだ……。


「いい?」


窺うように聞いている。
その顔が切なそうで、キュッと胸が締め付けられた。




「……は…い……」


そう返事をすると唇が重なる。
彼とする三度目のキスは、何度も角度を変えて落とされてきて……


ドキドキと鼓動が速くなって止まらなくて、頭の芯がぼうっとしてクラクラと軽い目眩を感じたーー。



「あ…」


離された瞬間、足元が崩れてしまう。
それを支える彼の腕は、案外と力が強くて胸が鳴った。


「…ごめん、大丈夫か?」


視線の先に赤く染まった唇が見えて、余計に胸がドンと弾む。


「は…はい、平気です」


そう言いながらも胸のときめきが治らない。
どうしちゃったのって思うくらい、心臓の音が賑やかしい。


「もう行こうか。お祖父さん達のお墓参りをした後、ランチでも食べよう」


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