あなたの心を❤️で満たして
心に……
菩提寺でお墓参りを済ませ、二人でランチを食べた後、彼から連れて行きたい場所があると言われた。

我が家以外に行きたい場所など思い浮かばなかった私だけれど、車が倉庫街に着いた時にはハッとして、ひょっとして祖父母の荷物を預けている所?と聞いた。


「そうだよ。家を出る時はバタバタだったから何も持って行けなかっただろ」


持って帰りたい物があるだろうから探せば、と言ってくれて、私は薄暗いコンテナの中に足を踏み入れた。

裸電球一個で照らされた庫内には、懐かしい祖父母の荷物が溢れている。

その中でも祖母が大事にしていた桐ダンスの側へ寄った。小引き出しを開けて、写真でもないだろうか…と探っていたら。



「これは…」


箱の中からセロテープで修繕された手紙が沢山見つかった。
平仮名で『はなびし るいさま』と書いてある。



「…何?」


横から顔を覗かせた黒沢さんが手紙を見て黙り、私は一番上の封筒を手にして裏返した。



「ママからの…」


そう呟いたきり何も言えなくなった。
それらを引き裂いたのは、紛れもない自分自身だったと思い出したから。


< 243 / 283 >

この作品をシェア

pagetop