蘇りのウタ
それは恋とか、愛とかではなく、友人としてもみなくなるという意味だった。


死んだ幸弘の頭を破壊しようとした人間を、あたしなら絶対に許さない。


幸弘も同じであるはずだった。


あたしは自分の手で、幸弘を遠ざける結果を招いてしまったのだ。


ゴクリと唾を飲みこんだ。


さっきから何度も巣分補給をしているのに、喉は一向に潤わない。


あたしは乃愛が蘇る事を許してはいけない。


そのためにはこの儀式を失敗させるしかない。


誰にも気が付かれないように、そっと、目立たぬように、そっと……。
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