向日葵に結ばれて
厄日
窓から入ってくる光が眩しくて、私は目を覚ました。

別のソファーからスースーと寝息が聞こえてくる。

隼人を起こさないようにそーっと支度を整えて、ホテルを出た。

昨日荒れていた天気が嘘のように、今朝は青空が広がっている。
私の気持ちもいつかこの青空のように澄みわたり、すっきりする時が来るんだろうか。

朝イチの船に乗り込み、本島に向かう。
家までタクシーで帰る。


今日は午前中お休みをもらい、午後から打ち合わせに行く予定。

家に帰った途端に、体が重く感じられた。
今まで気を張って踏ん張っていたぶん、あっという間に崩れてしまったみたいだ。

目からは涙が止めどなく溢れ出てくる。
身体中の水分が抜けていくように。

眠っていた隼人のそばに、向日葵畑の写真を置いてきた。
写真の裏に「ありがとう」とメッセージを書いて。

これで完全に忘れなければ。
そう思えば思うほど、胸が苦しくなる。

ひとしきり涙を流し、午後の仕事に備えて、腫れた目を冷まして、メイクで隠した。



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