身代わりの姫
第5章


朝、遅い朝食を2人でとり、荷物が運び出され、いよいよ出発の時を迎えた。


王宮の前で、王と王妃に

「お世話になりました。
バルテモン国に戻ります」

ジルが挨拶をする。


「気を付けて、あなた方の幸せを願っています。
国王一家にもよろしく」

王が挨拶をした。


近くに王族である、レオとエルザもいた。


2人の顔をじっと見ていると、目の奥が熱くなる。


小さく、顎を引いて目を閉じた。

顔を上げて、微笑んで王を見て、一礼してから馬車に手を引かれて乗った。


泣かない。


笑って、手を振った。





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