身代わりの姫


それから1週間後。


温暖なこの国にも、急に秋が深まった。



朝、ジルを城に送り出した。

昼を過ぎ間もなく夕方になろうとした頃、急に慌ただしい足音が聞こえた。


「リリア様!
お召し替えを……攻撃が始まる可能性があります。

これを………シュリベルトの布で作った服です。燃えにくく、熱さにも寒さにも強い生地で作りました。

なるべく早く逃げよ、との命令です」


とにかく、着替えた。

ブラウスは黒で大きめの衿でVネックになっていた。

パンツは、カーキ色でスカートかと間違えるような、広い裾になっていて、動きやすい。よく見ると裾が絞れるようになっていて、動きに合わせられる。


フード付きのポンチョは尻が隠れる丈で軽く温かく、裏地が取り外せるようになっていた。

ポンチョの下に、侍女として働いていたときのベルトを巻いて、以前に準備していたバッグを肩から斜めにかけてポンチョで隠した。


「すごいわね、これだけ作ったの?」

「ええ、ポンチョは腕の動きを妨げないように大きく作りました。念の為、スカーフと手袋をお持ちください」


ありがとう、とバッグに入れた。


その時、バン、とドアが開いてジルが飛び込んできた。








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