身代わりの姫



固い床を感じて目を開けると、隣にコゼットがいた。

「ジル?」

起き上がると、リリア様、とコゼットが囁いて起き上がってきた。

ガタガタと揺れて馬の足音が聞こえた。



「どういうこと?馬車?」


コゼットが部屋の外で待っているとジルが気絶している私を抱いて現れ、ホールで待っていたシリルと合流して、この幌馬車に連れてきて寝かせたらしい。

「………馬車にリリア様を乗せるとき、額にキスをなさいました。
お辛そうでしたわ……」


短剣も荷物もそのままだったが、ジルが入れたのであろう、バルテモンのお金がたくさんカバンに入っていた。






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