身代わりの姫

4


翌日、王宮のそばまでレオに送ってもらい、一人で堀の横の小道を入った。

小さな木戸を開けると、ブノアが待っていた。

「おはようございます」

「おはようございます、木戸の鍵をお願いします」


そう言われ、鍵をかけた。
木のかけらを回すような仕掛けの鍵だった。


階段を上りながら、ここが、王家の避難用の抜け道であり、ほとんど誰も知らないこと、様々な部屋に通じていることを教えられた。



とりあえずは昨日の部屋までの道を覚えた。


昨日の応接室への入り方、王宮の見取り図を見せられて後宮の間取りを知り、マアサに連れられて侍女の服を来てあちこち歩いた。


翌日からは、食事マナーから、立ち振舞、ダンス、等など細かい表情や頷き方も訓練された。

また、18歳になると本格的な公務が始まるリリアの側近として周りに認めて貰うために、鼻から下の顔を覆う布を髪飾りに引っ掛けて、王女と一緒に行動して、侍女で護衛という立場として印象付けることもしていた。


毎日、夜まで勉強や影武者としての振る舞いの練習が続いた。


レオが9時頃、王宮の外に迎えに来てくれて、養成所の自室に戻ると、ヘトヘトだった。






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