身代わりの姫


会議室に入ると、まだ誰もいなかった。

1番端の前の席に座ると、続々と王族や王宮の警備隊の隊長、副隊長来て、椅子を埋めていく。

最後に王と王太子が入ってくると、全員が立ち上がり敬礼をした。


「おはよう。今日はリリアのパーティーの警備について、である。

今日から、そこの彼女がリリアの護衛にあたる侍女だ」


王にそう言われて、立ち上がり頭を下げてすぐに座った。

この格好の時は笑顔は要らない。



そう言われてきた。


それからは、具体的な警備の説明を受けて解散になった。



王に続いて出た王太子の後を、マアサに着いて出て行った。


そのまま、王太子の執務室に入ると、リリアが笑顔で待っていた。


「会議は無事に終わりましたのね?」

少し微笑んで頷いた。



「今から、王宮に行くから、従っていきなさい。
あなたなら大丈夫です。

リリア様も、しっかり挨拶されることを信じていますよ」


「はい」

スッと、リリアの背筋が伸びて、王女の顔でマアサに返事をした。



じゃ、行こうか、と言った王太子に続いて部屋を出ると、王太子の側近が王女の後ろについて来た。




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