身代わりの姫
私がリリアになった日。
王太子と昼食をして、まだ王と王妃は悲しみにくれていると聞き、王太子も事情を知っている私の前では、いつもの明るさは無かった。
元々、公務のない日々なので、部屋でリリアの物を見ていたり、一人になると、剣を振ってよく分からない不安と戦った。
5日が過ぎた。
王と王妃と初めて夜の食事を共にした。
静かに、天候のこと等、誰に聞かれても差し障りのない会話をしていたが、後で王の部屋に来るように言われた。