世界できっと、キミだけが


「それに、俺の事は気にする必要はない」

「でも!」

「俺自身が心配ないと言ってるんだ。それでいいだろ。お前が気に病む必要がどこにある?」



竜はそうかもしれない。
本当にそう思ってるんだと思うけど。



「何度も言ってるだろ。俺は仕事としてお前を守ってるんだ。見合う報酬も貰ってる。そう思えば少しは楽か?」

「それでも、竜が傷つくのだって私はイヤなの」



勝手だと思う。
だからって私は何もできないのに。
それが竜の仕事だってわかっていても。


大嫌いだったはずなのに。
抱きしめられたらこんなにもドキドキして。
竜の身を案じて不安になったり。



私、私、もしかして。




竜の事、好きになってしまったのかな。




仕事だってわかっていても、竜が私のことよく思ってないことをわかっていても。
それでも、こんな風に守ってくれる竜のこと、好きになってしまうのは必然だろうか。

単純だって笑われるかな。


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