世界できっと、キミだけが


「あんたと鹿島は違う!」

「そうだね。じゃあ、仮にそうだとしよう。でも、彼は。仮にもボディーガード。一度だけ会ったけれど、とても仕事に懸命な人に見えた」



竜は、仕事に誇りを持っている。
私を護れなかったこと、いつまでも後悔しているような、そんな人だ。



「そんな彼が、犯罪に手を染める君を好きになってくれるとでも?彼が護っていた彼女を傷つけて、それを知っても君を愛してくれると?」

「…そうね。鹿島は許さないでしょうね。だからもういいの。どうせばれたんだからどうなっても」

「吉沢さん…?」

「だから、最後にあんたをめちゃくちゃにして、鹿島からあんたを奪ってやるの!」




目が血走っている。
こんなの、私の知ってる吉沢さんじゃない。

だって、吉沢さんはなんだかんだ言ったって仕事はきちんとこなして、竜とだって信頼関係があって。
とてもいい関係だって思ってた。

それなのに。


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