世界できっと、キミだけが
「ごめんなさいね、うちの竜がきつくあたってるんじなないかしら?」
「え…?い、いえ…」
“うちの竜”
その言い方にチクリとする。
「口が悪くてぶっきら棒でしょう?でも、本当は優しくていい人なのよ。誤解しないであげてね」
「は、い……」
なんだかモヤモヤする。
幸子お嬢様は鹿島さんのことなんでも知ってる風に話す。
確かにそうなんだろう。
私よりずっと鹿島さんのこと知ってるんだと思う。
でも。
今は、私のボディガードなのに……!
ハッとする。
私今、なんて………。
「鹿島さんはよくしてくれてます。ちゃんとまもってくれてるし、感謝してますから!」
私はモヤモヤと浮かんできた感情を振り払うように声を張る。
「そう。ならよかった。紗千さんにつく前は私のボディガードをしていたの。だから、竜の事ならなんでも私に相談してね」
「なんでもって、なんだよ……」