世界できっと、キミだけが


水着に着替え、菜穂と話しながら外に出た。


「ねぇ、君たち2人?」



そこで、茶髪のいかにもチャラそうな男二人組が声をかけてくる。
ニタニタと品定めでもするかのように私たちを見る。



「……いこ、菜穂」



小柄で可愛い菜穂はよく声をかけられやすい。
明るくハツラツとしている菜穂は見かけによらず人見知り。
こういう時は私がしっかりしなきゃ。



「ちょっとまってよ。ほら俺たちも2人でさ、さみしいから一緒に遊ぼうよ」



1人の男が私たちの行方を阻むように前に回り込み軽い口調でそう言った。



「結構です。私たち、2人じゃないので」

「そんなこと言わずにさぁ、じゃあその子だけ置いてってくれてもいいよ」

「そんなことするわけないでしょ!」



男を押しのけ菜穂の手を引いて逃げようとする。
ほんと、しつこい!



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