現役女子高生、メイドになります!
「あのさ、あんま無理しないでな。


この家も曲者揃いだし、苦労するかもしれないけど。


だけど、結衣は一人じゃないから。なんかあったらいつでも言って」




……優しい言葉に胸が熱くなる。だめだ、また泣いてしまいそう。



「……ありがとうございます」




海様が部屋を出た途端、急に部屋が寒くなった気がした。思い出したように起き上がり、換気のために開けていた窓を閉めた。





『……ちがうよ。それは俺じゃないよ』





……海様は多分、嘘をついた。



うまく説明はできないけど、昨日の右手に感じていた温度と、今おでこに触れた海様の手の温度は同じだったのに……




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