現役女子高生、メイドになります!
「……結衣?」



最悪だ。たった今まで、ふらふらしていた自分を責めていたくせに、こうして海様に見つめられるだけで顔が熱くなるなんて。



思わず頬を押さえてうつむくと、海様が下から覗き込んできた。心の中にある、やましい気持ちを見透かされそうで、つい目が泳いでしまう。




両手で口元を覆い、その中でゆっくりと息を吐き出す。これ以上目の奥を見られたくなくてまぶたを閉じると、微かに震えだした。



次に目を開けたとき、海様はいつか展望台で見せてくれた悲しそうな笑顔を浮かべてこう言った。




「……そっか、そうだったんだな。……ばかだな、なんで迷ったりなんかしたんだよ」




まるで、私が海様に惹かれていたことに気づいたかのよう。



だけど、はっきりとはわからなかった。海様は、私の目尻に浮かぶ涙をそっと拭いながら、優しい声で「ごめんな」とつぶやいた。




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