【青・中編・画】文鳥は居ましたよね!
【吉松(きちまつ)・紀真(きま)】side02

「好きすぎて一緒にいられない」と紀真(きま)が呻いた。
美しい顔と声をしていた。

思わず涙が溢れだしたすっぴんの眼に、吉松(きちまつ)の指が、その涙をぬぐう。

「私は20年30年かけても文鳥しか妻子にできないかもしれない」

だけど、

「待たせてくれるの」
紀真(きま)の可愛らしすぎる表情に、吉松(きちまつ)は厄介な事になったと、少しばかり後悔をした。

ごめん火音(かのん)
ごめん日輪(ひのわ)

もしかしたら、いつか君達、溺愛妻子を思い出にする日が

来るような

気がする。



吉松(きちまつ)は、何の気なしに、上嘴をとまり木に何度もこすりつけ「おいで」と側によるように示唆する、文鳥の雄をイメージした。



(了)
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