どっきゅん♡LOVER


「ああっ! じゃあじゃあじゃあっ、何であんな約束取り付けてきたの!?」


思いだした途端、口から質問が飛び出した。


学校では名字で呼べとか、なるべく話しかけないようにしろーとか。

彼女じゃないなら理由はなんなのさ!



「……さあな」


ええ!?


「教えてよ!」

「別に教える必要ないだろ」

「あるもん! 知りたいもん!」

「知る必要もない。お前はただ約束を守ってればそれでいいんだ」


はぁーー!?

勝手すぎるでしょ、それ!


「理由もわからないまま、これ以上はもう守れない!」

「なら、絶交だな。今すぐここから出ていけ」

「……っ」


ズルい……。

冷淡に返されたその言葉に、唇を噛み締める。


「あたしが修平のこと大好きなの知ってて、わざと意地悪してるんでしょ」

「そうじゃない」

「……もういい、わかったわ。修平がその気なら、あたしにだって打つ手はあるんだから!」


素早く立ち上がったあたしは、すぐにこう宣言した。


「菫子ちゃんに相談してくる!」


そして、部屋を出ていこうとした、その瞬間。


「待て」


そんな声とともに、パシッと手を掴まれた。


くるり、とっさに振り返る。

目にしたのは、不服そうに表情を歪める修平だった。

いつもは涼しそうなその顔に、今はほんのりと冷や汗が浮かんで見える。


唯一の弱点、効果てきめ〜ん!

普段はちょっぴり天然で温厚な菫子ちゃんだけど、怒らせると相当怖いんだそう。

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