【完】せんぱい、いただきます。


「俺、ちょっと不安だったの。

忙しくなって、実紅ちゃんに連絡できなくて、


やっぱり付き合うのナシにしよう、とか言われないかって。」




「言うわけ、ないじゃないですか。私、こんなに先輩のこと」


「俺のこと?」


「・・・何でもない、です。」


急に恥ずかしくなる。


「ちゃんと、言って?」


先輩の色っぽい声。反則だ。


「先輩のこと、すきだから。」


小さく、つぶやく。

ふふ、と先輩が笑った。


「なんで、笑うんです」

その瞬間。頬を軽くつままれる。

「俺、毎日、これつけるから。

まだ、働いてないけど、毎日、頑張れる気がするわ。」



ご機嫌な先輩。



「私、先輩に何か作ってあげられるくらいに、料理がんばりたいんですけど」


「それは、いいよ。俺、実紅ちゃんの食べてる時の顔好きだから。」



あっさり却下。





「でも、結婚する時までには、少し料理できるように俺が教えるから」


「お、お願いします?」


なんだか、満足そうな先輩。

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